受験指導のプロがそっと教えるテクニック
教材を「やり尽くす」を実現するための、誰でもすぐ始められる実践手順をまとめました。日々の進捗を可視化し、短期間で理解を深めるための運用ルールです。
簡単かつ計画的に教材をやり尽くす方法(回転学習の型)
- 目標時間を設定して解く(ストップウォッチ使用)。
- 解いた直後に、各設問番号の横に「日付・出来マーク・所要秒数」を記入。
- 同じ問題を最低5回は解く前提で、記入スペースを確保。
- 回転ごとに到達基準を上げる(短時間化・正答の安定化)。
- ほぼ全設問が基準到達したら次の教材へ、並行して前教材を完全化。
マークの定義(5+1段階)
× 解けない(解説を読んでも不明)
▽ 見覚えはあるが自力では解けない(解説で理解)
△ ヒントがあれば解けるが、ランダム出題だと怪しい
○ 自力で解けるが遅い(目標時間オーバー)
◎ いつでも素早く解ける(目標時間内、2週間〜1か月空けても再現)
☆ 完全合格(過去最短記録、目標時間に対して余裕、長期ブランク後も即再現)
※3段階(○・△・×)に簡略化してもよい。◎までを仮合格、☆を最終合格とする運用も有効。
ダッシュボード運用(目次・解説への記録)
- 設問横だけでなく、目次や解説側にも日付とマークを記入すると単元別の進捗が一目で分かる。
- 目次は「◎のみ記録して全体を◎で埋める」「△以下のみ記録して改善で消していく」など方式を統一。
運用ルール(昇格の流れ)
×を▽へ、▽を△・○へ、△を○へ、○を◎へ、最終的に☆へ。
大部分が◎になったらその教材は仮合格として次教材へ進む。同時に前教材の完全制覇を継続。勢い(学勢)が乗った状態を維持する。
カスタム記号の例
W(分からない)/A(あと一歩)/D(大丈夫)/V(勝利)/Z(絶対大丈夫)
自分流の記号追加は可。大切なのは「見える化」と一貫運用。
付箋の有効利用(難問管理)
- 出来なかった設問に付箋を貼り、日付と出来具合を記入。完答できたら剥がす。
- 色分け例 ① 曜日別で1〜2週間前の課題を定期再挑戦 ② 出来具合別でテーマ集中(×→▽→△、△→○→◎ など)
- 迷ったら「付箋はがしデー」。剥がせた枚数が進捗の実感になる。
- 目安:貼ってから2か月以内に必ず剥がす。
- 週1回、マークと付箋をざっと点検して翌週計画を調整。
やる気が出ない時の対処
- まず始める(作業興奮で側坐核が動き出す)。数分で集中が立ち上がる。
- チョビ勉強→ドカ勉強 5〜10分の超短時間学習を数セットで助走し、波に乗ったら一気に進める。
難問の突破法(トンネル工法)
- 細穴を開ける(ノミで1点突破=最小の理解を作る)。
- 周囲を広げる(解法手順・関連知識へ広げる)。
- 同手順を反復し貫通(本質の理解に到達)。
- 仕上げを繰り返し、舗装レベルまで整備(どの状況でも即答できる状態へ)。
苦手克服の王道(まとめ)
- どんな苦手も、最初の小さな突破口さえ作れば必ず克服できる。
- 小さな成功を反復・拡張して大きな理解に育てる。
- 貫通後も繰り返しで常識問題化するまで仕上げる。
- 常識化すれば、いつでも、どんな出題形態でも完答できる。
今日からの実行チェックリスト
- ストップウォッチ/記録用ペン/付箋を常備。
- 各設問の横に「日付・マーク・秒数」欄を確保。
- 1周目のゴール基準(正答率・時間)と、5周目の基準を明文化。
- 週1の点検タイムを固定(例:日曜19:00)。
- 付箋は2か月以内に全剥がしを目標設定。
この手順を型として回し続ければ、短時間で理解が深まり、弱点が可視化され、合格レベルの再現性が手に入ります。