勉強は何時間すればよいか?
受験生からよくある質問ですが、明確な「正解時間」はありません。合否を分けるのは“時間の長さ”そのものではなく、時間の使い方です。大切なのは、苦手をなくし、必要数の得意分野を増やすことに学習時間を投下することです。
結論:時間より中身
まず優先すること
- 出来ない教科分野を一つずつなくす
- 不得意単元をしらみつぶしに潰す
- 苦手を得意に変える
- 得意分野は「完璧」レベルに仕上げる
上の4点に沿って動けば、必要時間は自ずと決まります。
苦手分野の総点検(今すぐできる手順)
- 受験に必要な各教科の教材(問題集・参考書・教科書)を用意する
- 目次をざっと見て、分野・単元ごとに「分かる/怪しい/分からない」にチェック
- 「分からない」「怪しい」に印をつけ、優先順位を決定
- 今日から潰し始める(先送りしない)
ポイント:出来ないところをなくす作業に時間を集中投下する。
勉強時間は“徐々に増やす”
いきなり長時間に跳ね上げる計画は破綻しやすい。最初は無理のない水準から着手し、週ごとにペースを上げるのが安全です。睡眠を極端に削る計画も不可。車の暖機運転のように、負荷は段階的に。
良い計画の条件
- 徐々にペースを上げる設計(最初から最大負荷にしない)
- 調整日・予備日を確保(計画は必ず狂う前提で)
- 睡眠は確保し、翌日の学習効率を守る
- 「毎日必ずやる」を中核に置く
今日から始める
「合格を決意した日=開始日」です。目標が定まれば、学習時間も自然に増えます。まだ始められていないなら今日から始めること。
1日のスケジュールの組み方
- 1日の目安時間をまず決める(例:平日◯時間/休日◯時間)
- 15分・30分・60分単位でブロック化し、1コマの最大は90分まで
- 朝起きてから就寝までのタイムラインを具体化(何をいつやるか)
- 得意:維持の周回、苦手:集中潰しの時間、と役割を分ける
軌道修正のルール
- 週1回の見直しで「進捗/計画の現実性/優先順位」を更新
- 修正は必要最小限に。安易な計画変更の常態化は失速のもと
- 原則は「計画通りにやる」。崩れたら即、その週内でリカバー
よくある落とし穴
- 勉強時間だけを増やし、中身(苦手潰し)が進んでいない
- いきなり長時間計画→中断→自己嫌悪のループ
- 睡眠削減で翌日の効率が激落ち
- 目次点検をせず、闇雲に新しい教材へ手を広げる
まとめ(チェックリスト)
- 今日、苦手を1つでも潰したか
- 目次点検で「怪しい」分野が見える化されているか
- 無理のない負荷で毎日継続できているか
- 1日のブロック(最大90分)で時間を管理できているか
- 週次で計画の微修正をしているか
必要なのは「何時間やるか」を問う前に、「何を無くし、何を増やすか」を決め、今日から動くこと。苦手が減り、得意が増えれば、学習時間は自然に意味を持ち、成果に直結します。