模擬試験の結果に一喜一憂しない

模試は合否を決める場所ではありません。
これは「現時点の自分の学習データを集める場」です。

点数や偏差値は“結果”にすぎず、見るべきは“原因”と“次の行動”。
現役生の学力は入試直前まで伸び続けます。だからこそ、模試を「改善の素材」に変える力が合格者の共通点です。


多くの受験生が「模試=合格率」と考えがちですが、
実際には、模試の偏差値は本番の成功を正確に予測しません

文部科学省・大学入試センターの分析でも、
模試成績の高低と本番得点には「一定の相関はあるが、個人差が大きい」ことが示されています。
(出典:大学入試センター研究報告

つまり、模試は「今の位置を知り、修正するためのGPS」。
数字を比べるより、「次に何を直せばいいか」を1つでも具体化することが重要です。


模試の効果は、48時間以内の行動で決まります。

🕒 当日中(記憶が鮮明なうちに)

以下の5項目を簡単にメモ:

  • できた/できない
  • ミスの種類
  • 時間配分(焦り・余裕)
  • 根拠の有無(“なんとなく”で選んでいないか)
  • 体調・会場環境

📘 48時間以内に全教科解き直し

  • 満点解答を「自力で再現」できるまでやり直す
  • 各設問に“根拠1行メモ”を添える(例:「この選択肢はA文法の例外」など)

この再現演習は、教育心理学でいう「リトリーバル・プラクティス(再生練習)」にあたります。
テスト後の再演習が記憶を最も強化することは、国内外の多くの研究で確認されています。
👉 参考:日本教育心理学会『学習効果の再生練習』

📅 弱点つぶし計画に落とす

  • 単元名・教材名・回数・日付をセットで明文化
  • 次回模試までに「どの項目を・いつまでに」克服するかを決定

🔁 模試→分析→対策→再演習
このループを1回転させるたびに、成績は安定して伸びていきます。


偏差値は“結果”。改善を導くのは“数値化された行動指標”です。

見るべき指標内容改善目標
弱点件数「正答率50%未満の単元」数模試ごとに減らす
ケアレスミス数読み間違い・符号ミス原因をパターン化して再発防止
制限時間オーバー問題数時間管理のズレ各教科で5分短縮を目標に調整
根拠あり解答率「根拠を言語化できた設問」割合80%以上を目標

📈 “偏差値5アップ”ではなく、“ミスを3件減らす”。
このような指標化が、最短の成長ルートです。


模試の数字は「あなたの価値」ではなく、「学習データの一部」です。
心の安定を保つための考え方を紹介します。

😊 高偏差値のとき

→ 浮かれず、「やることリストがゼロか」をチェック。
伸びしろがまだある限り、油断は禁物です。

😔 低偏差値のとき

→ 落ち込む必要はありません。原因が具体的なら前進です。
「失敗の理由が言語化できている=改善可能な状態」です。

教育心理学でも、「失敗を分析できる学習者は成功確率が上がる」ことが報告されています。
👉 参考:国立教育政策研究所「メタ認知と学習成果」


🧠 模試が“めんどう”な人へ(=怖い人へ)

多くの受験生が模試を「面倒」と感じるのは、実は“結果が怖い”からです。
次の3ステップで“慣れる”ことから始めましょう。

  1. 段階的に慣れる
     自宅で模試→校内模試→外部模試の順でステップアップ。
  2. 手順を固定化
     会場到着時間・着席後の深呼吸・名前記入→第1問開始までを毎回同じに。
     「同じ手順=安心の儀式」です。
  3. ご褒美を設定
     模試終了後に“必ず楽しみを入れる”(お菓子・帰りの寄り道など)。

模試を“怖いイベント”から“予定された習慣”に変えるだけで、緊張が和らぎ、結果も安定します。


模試は「合否を決める場所」ではなく、学習サイクルを回す起点です。
結果に一喜一憂するよりも、原因→対策→実行のループを止めないこと。

それが、早慶上理を目指す受験生の「安定した伸び方」です。
点数は“追いかける”ものではなく、“行動の結果として上がる”ものです。


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